JPC知財戦略専門部会の設立にあたって

「JPC知財戦略専門部会開設にあたって」

特定非営利活動法人日本フォトニクス協議会(JPC)に「知財戦略専門部会」(JPC知財部会)が新設されました。JPC知財部会は、今後、知財情報の収集や研修などを通して部会メンバーやJPCメンバーの研さんに資するための活動を行っていくことになるでしょう。グローバル市場で光ビジネスを展開するためには知財の戦略的活用が不可欠となっています。専門部会の誕生は、まさに時宜にかなったものと言えます。

部会の名前となった「知財戦略」という言葉は新しいものではありません。

小泉政権が2003年にわが国を「知財立国」とするため「知的財産戦略本部」を内閣府に設立して以来、知財関係者にはよく知られるようになりました。今ではメディアでも頻繁に使われています。しかし、国家政策としての「知財戦略」は、実際には法制度整備が中心であり、知財の戦略的な活用は、もっぱら企業に委ねられていました。しかし、受け皿となった企業でも、単独で知財戦略を駆使してグローバルな事業展開ができる企業は限られています。

そのような時代にあって、JPCが「業界として」知財戦略の重要性を認識しそのあり方を検討するための専門部会を立ち上げたことは画期的なことだと言えましょう。光技術のように分厚い基盤技術の上に高度な先端技術が構築される産業分野においては、企業の知財戦略の巧拙が事業の成否を決めるということは現実的ではないかも知れません。むしろ、基盤技術を特許攻勢の対象にした産業は、関連技術の発展が妨げられ、結局、産業そのものが衰退することも最近の研究から判ってきました。アメリカでは実際にそのような例が見られます。勿論、これは特許に代表される知財権の重要性を否定するものではありません。知財権は企業の事業推進にとってこれまで以上に重要になっています。だからこそ、JPCが「業界として」知財戦略のあり方を考えることに意味があると言えます。その先導役をJPC知財部会が担うことになりますが、ぜひその使命を達成していただきたいものです。私も、微力ながら、専門委員会委員長としてお手伝いしたいと思います。

JPC知財戦略専門部会専門委員会委員長

藤野仁三 (前東京理科大学教授)